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コラム
2.162025
養育費保障サービスについて

養育費保障サービスとは
養育費保証サービスとは、養育費を支払う側が病気や解雇など様々な事情により突然収入がなくなってしまった場合や支払いを滞納した場合などに民間の保証会社が養育費を立て替えてくれるサービスです。昨今、養育費保障サービスの支援を促進している自治体も増えています。利用するメリットはありますが、デメリットもありますので、利用を検討している方は注意が必要です。
メリットとデメリット
[メリット]
①未払いの心配が無くなる ※万が一のときにも保証会社が立て替えてくれるので、支払う側も安心できる
②元パートナーと直接連絡を取らなくていい
[デメリット]
①保証料がかかる
②保証の期間や範囲に制限がある
利用条件
保証会社によって、保証される内容や条件は異なりますが、養育費についての取り決めがされていること(離婚協議書、公正証書、調停調書などが作成済みであること)、保証会社を利用することに合意していること、保証会社の審査に通ることなどがあります。なお、既に未払いが発生している状況では、審査には通りにくい保証会社が多いようです。
利用した方がよいのか?
メリットとデメリットをいくつか挙げましたが、その他にも注意が必要です。それは、保証会社の契約内容・形式によっては、弁護士法違反になってしまうという指摘があることです。サービス自体は養育費の未払い問題を解消できる可能性が高くなるという点においてはとても良いものだと思います。しかし、近年に始まったばかりの新しい事業にもかかわらず、既に養育費保証サービスを展開していた企業が撤退していることもあり、慎重に検討する必要がありそうです。万が一、契約した保証会社が事業撤退や倒産してしまった場合、保証を受けられなくなるだけでなく、支払済みの保証料の返還も無いことも考えられます。
そもそも、確かな公正証書を作成していれば、未払いが発生したときでも、比較的簡単に給与や財産の差押えなどが可能ですので、サービスを利用するかどうかは状況に応じてよく考え判断する必要があります。
まとめ
養育費保証サービスは、養育費の未払い問題を解消するためのとてもいい事業だと思います。ですが、もっとも大切なことは、「離婚時に養育費を定める際には公正証書を作成すること」ですので、基本的に「公正証書を作成し、問題が発生した場合にはその都度、専門家に依頼をして解決」する。例外として、公正証書を作成しても、「差押えが出来なくなってしまう可能性が高い場合(支払う側の給与が無くなってしまう・仕事をやめてしまう・居場所を告げず逃げてしまう・財産がなくなってしまう可能性が高い場合)に保証会社を利用するか検討する」が良いのではないかと考えます。
また、間もなく「共同親権」が認められるようになりますので、養育費未払い問題の現状も大きく変化する可能性もあります。
養育費は、ひとり親世帯にとって重要な問題ですので、こどもの将来のためによく話し合い、不利益となってしまわないようにしていただければ幸いです。
〈補足〉
茨城県内では、つくば市、鉾田市で公正証書の作成費用や保証会社と契約した場合に補助金を貰える支援制度があります。要件や必要書類が異なる場合もありますので、つくば市での申請を希望する方は「こども部・こども政策課」に、鉾田市での申請を希望する方は「子ども家庭課」に直接問い合わせてください。今後、その他の自治体でも支援が始まる可能性もありますので、各自治体に直接問い合わせてください。下部につくば市と鉾田市の公式ホームページへのリンクがありますのでご確認ください。
■つくば市役所ー公式ホームページ(ひとり親家庭養育費確保支援事業)