養育費保障サービスについて

養育費保障サービスとは
養育費保証サービスとは、離婚後に取り決めた養育費の支払いが、支払う側の病気や解雇、突然の収入減少など様々な事情によって滞った場合に、民間の保証会社が一時的に立て替えて支払ってくれる仕組みです。養育費の不払いは社会問題化しており、母子世帯の約7割が「養育費を受け取れていない」という国の調査もあります。そのため、昨今は自治体が支援を促進する動きも出てきており、利用料の補助制度を設けている地域もあります。
このサービスは安心感を得られる有効な方法ではありますが、利用にあたってはメリットとデメリットの双方を理解しておくことが必要です。
メリットとデメリット
[メリット]
① 未払いのリスクを減らせる:万が一支払いが止まっても保証会社が立て替えてくれるので、受け取る側は生活設計を安定させやすく、支払う側にとっても備えがある安心感につながります。
② 元パートナーと直接やり取り不要:養育費を受け取る際に保証会社が間に入るため、元配偶者と直接連絡を取らずに済み、心理的負担を軽減できます。
③ 継続的な子どもの生活を守れる:養育費が途絶えることなく支払われるため、子どもの教育費や生活費が安定し、将来設計を立てやすくなります。
[デメリット]
① 保証料が必要:養育費の数%を保証料として支払う必要があり、長期的には負担が大きくなる可能性があります。
② 保証範囲や期間に制限:全ての状況に対応できるわけではなく、契約によって期間や範囲が限定されます。特に未払いが長期に及んだ場合にどこまで保証されるかは契約内容に左右されます。
③ 会社の安定性リスク:新しい事業であるため、参入した企業が撤退・倒産するケースも報告されています。その場合、保証が受けられなくなるだけでなく、既に支払った保証料が戻らないリスクもあります。
利用条件
保証会社によって条件は異なりますが、一般的には以下のような要件があります。
- 養育費についての取り決めがあること(離婚協議書・公正証書・調停調書など)
- 保証会社を利用する合意があること
- 保証会社の審査に通ること(収入や支払い状況の確認が行われます)
特に注意が必要なのは、既に未払いが発生している場合には審査が通りにくい点です。養育費保障サービスは「未払いが発生する前」に契約して備える性質が強いといえるでしょう。
利用した方がよいのか?
養育費保障サービスは未払い対策として有効ですが、以下の点に注意が必要です。
・契約内容によっては弁護士法違反に問われる可能性があると指摘されていること。
・新しい事業形態であり、すでに撤退した企業もあること。
・契約後に事業が撤退・倒産した場合、保証が受けられないリスクがあること。
一方で、確かな公正証書を作成しておけば、養育費の不払いが発生しても裁判を経ずに給与や財産の差押えが可能です。したがって、基本は公正証書を整えておくことを優先し、差押えが難しい状況(勤務先を辞める、収入がなくなる、居場所が不明になるなど)を想定する場合に限り、保証サービスの利用を検討するのが現実的です。
まとめ
養育費保証サービスは、養育費の未払い問題を軽減するために有効な手段ですが、サービスの性質やリスクを理解しておくことが不可欠です。もっとも大切なのは「離婚時に公正証書を作成すること」であり、公正証書があれば万一のときも法的手段で対処できます。
そのうえで、差押えが困難になる可能性が高い場合にのみ、保証サービスの利用を検討するのが望ましいといえるでしょう。
また、今後は「共同親権」制度の導入により、養育費のあり方も変化していくことが予想されます。養育費は子どもの将来を守る大切なお金です。親同士でしっかり話し合い、子どもに不利益を与えないよう準備を整えることが重要です。
〈補足〉
茨城県内では、つくば市・鉾田市で公正証書の作成費用や保証会社との契約料に対して補助金を支給する制度があります。要件や必要書類は自治体によって異なるため、つくば市で申請する場合は「こども部・こども政策課」、鉾田市で申請する場合は「子ども家庭課」に直接お問い合わせください。今後は他の自治体でも同様の支援制度が広がる可能性があります。
