コラム
1.122025
共同親権について

共同親権について
これまでは、離婚後は必ず父母のいずれか一方のみが親権を持つことになっていました。しかし、離婚後の共同親権が認められる(単独親権または共同親権かを選択できる)、改正民法が2026年5月までに施行されます。共同親権の法制化については、離婚後も父母の双方が子の養育責任を持つことが子どもの利益につながるという考えのもと、国会で改正民法が成立しました。
共同親権にした場合、お子さんの日常の行為(習い事や旅行など)は単独で決定することができますが、重要な事項(進路や財産の管理など)は両親の合意が必要とされています。日常の行為は単独で決定することができますし、離婚後の関係性が良好な場合は、これまで(施工前)とそれほど変わりはないかもしれません。しかし、改正民法では、こどもの監護権について、父母の協議がまとまらない場合は家庭裁判所が判断するとしています。双方の価値観や考えが異なっていた場合、単独親権のときでは起こる可能性が低かったことが、共同親権にしたことによって頻繁に起こってしまう可能性もあるのかもしれません。
共同親権のメリット・デメリット
以下に現時点で想定できるメリット、デメリット、問題点をいくつか挙げてみますので、参考にしていただければ幸いです。
[メリット]
・離婚協議の際に、親権争いを避けることができる
・養育費の未払いを防げる可能性が高くなる
・面会交流がスムーズに行われる
[デメリット]
・離婚前からDVやモラハラ、虐待があった場合、離婚後も継続してしまう
・こどもの負担になる
まとめ
私は、共同親権にする大きなメリットは、親権争いを避けることができること、養育費の未払いを防げる可能性が高いことだと思います。離婚後も変わらずに親権を持っていることで、こどもに対する責任感も違ってくると思います。金銭面のことを重点を置くのであれば共同親権を選択した方がメリットがあるかもしれません。(離婚する際に公正証書を作成しておけば、養育費が未払いとなる可能性は低くなりますので、共同親権にする大きなメリットと言えないかもしれませんが、未払いの予防にはなると思います)しかし、デメリットも少なくないと思います。要因は様々ですが、こどもの負担となってしまうことは起こりうるでしょうし、DVや虐待があった場合、いのちに関わることですので当然に金銭面よりも重要なことですので、共同親権を選択すべきではありません。
離婚の協議の際には、ご家庭それぞれの事情に応じて、共同親権と単独親権のどちらを選択した方が、こどものためになるのかを最優先に考え判断してください。